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2023.06.15
奈良県 長谷寺 © 19980705_ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
長谷寺のある桜井市とは
長谷寺は現在西国三十三所巡礼の八番札所です。
もともとは観音巡礼発祥である一番札所のお寺でした。
長谷寺のある桜井市にいちばん関係するものをさがしてみました。
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日本最古の歌集「万葉集」にある第一番の歌
現在の日本の元号は「令和」です。
それまでの元号は中国の古典の中のことばから選ばれていました。
ですが「令和」は万葉集という日本の古典の中のことばから選ばれました。
この万葉集は日本のもっとも古い歌集です。
その中には4500首以上の歌があります。
この第一番の歌の作者が第21代天皇の「雄略天皇」です。
観音巡礼がはじまる約200年前、雄略天皇の皇居「初瀬朝倉宮」がこの地にありました。
この第一番の歌は
この歌の意味は
です。
籠とは取った若菜を入れるバスケットです。
掘串とは若菜をほるためのスコップです。
当時、女の子の家となまえを聞くのは告白するのと同じ意味でした。
天皇が岡で若菜をとっているおじょうさんに告白するというゆったりとした歌です。
「海石榴市」は仏教が初めて伝えられたところ
観音巡礼は仏教のとても重要な行事の一つです。
この仏教は552年に朝鮮半島から第29代「欽明天皇」に伝えられました。
伝えられた仏教に関する仏像などは、大阪から大和川を通ってこの「海石榴市」の地でおろされて、飛鳥の地にはこばれました。
この「海石榴市」はそのときの交通の中心地であり、日本でもっとも古い市場でもありました。
大神神社は日本はじめてのお酒の神様
神の字は「かみ」とよむのがふつうです。
この神社の名前では「みわ」とよみます。
お酒を意味することばです。
190年ころに第10代崇神天皇がこの神社にお酒をお供えしたことに由来します。
皆さんは酒屋の軒の下にボールみたいなものを見たことがありますか?
直径50cmくらいの杉の葉で作ったサッカーボールのような形です。
それは「酒林」とか「しるしの杉玉」と言われています。
酒屋のシンボルマークです。
もともとは、お酒をつくる酒蔵が、新酒の完成をしらせるために、軒の下に付けたものです。
このシンボルマークの由来は大神神社です。
毎年11月ごろに直径2メートル、重さ200㎏の杉玉がつくられ、飾られます。
小さいものも作られ、お酒をつくる酒蔵におくられています。
長谷寺~雄略天皇ゆかりの地まで
長谷寺~海石榴市まで
公共交通機関利用では
歩いて15分で近鉄大阪線長谷寺駅まで行きます。
長谷寺駅~大和朝倉駅電車で4分
その後、歩いて15分で「仏教伝来の地」の碑を通って海石榴市につきます。
徒歩ルート
全体約6㎞の距離で一時間半くらいかかります。
少し長いですが、古代の「初瀬街道」の雰囲気を感じながら、頑張って歩いて行くのがおすすめです。
海石榴市~大神神社
大神神社のご神体は三輪山にあります。
この三輪山を見ながら歩いて約20分で行けます。
大神神社~雄略天皇ゆかりの地
「初瀬朝倉宮」のくわしい場所はわかりませんが、万葉集第一番の歌の碑が「白山神社」にありますので、宮もこのあたりにあるかと思われています。
白山神社に行く道は「山の辺の道」を通ります。距離は3.1kmで、歩いていくのは約40分がかかります。
途中に古代の女王「卑弥呼」のお墓もあります。
「卑弥呼」は中国の古典の「魏志倭人伝」に3世紀中頃の日本の女王と書かれています。
そうめん発祥の地、桜井市の三輪そうめん
日本の「三大そうめん」はなにか皆さんわかりますか?
- 奈良県桜井市の「三輪そうめん」
- 兵庫県たつの市の「播州そうめん」
- 香川県の「小豆島そうめん」
といわれています。
実はそうめんは700年ごろに中国から伝わり、桜井市が発祥のところと言われています。
どこで食べる?
三輪そうめんの有名なメーカーの「三輪山本」のお店が「箸墓古墳」のそばにあります。
夏には「冷やしそうめん」、冬にはあたたかい「にゅうめん」を食べられるそうです。
また、このあたりのもう一つの名物「柿の葉寿司」も、食べることができます。