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【ぶんか】西国三十三所観音霊場巡礼をしよう!

2023.06.15

気軽に観音霊場巡礼をはじめよう

観音霊場巡礼とは?

奈良県 長谷寺 © 19980705_ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

今、観音霊場巡礼をする人が増えています。

観音霊場巡礼とは、仏教の神様である観音様が祀られているお寺を訪れることです。

観音巡礼が人々に楽しまれるようになるまでに、歴史がありました。

仏教には、閻魔大王という地獄の神様がいます。
閻魔大王は「地獄に落ちる人を減らしてください」という指示をだしました。
そして厳しい観音信仰を求めるお寺が作られました。

また仏教では天国のことを極楽といいます。
人が極楽に行くためには「ご宝印」と呼ばれる通行証を見せなければなりません。
また、この ご宝印は「納経印」とも呼ばれています。

この納経印を手に入れるためには観音様に「写経」を納経する必要があります。
写経とは仏教のお経を写して書くことです。

お経とは仏教の神様である仏の教えをまとめたものです。
そのため納経印をもらうための「写経」はとても難しいです。

このような理由から観音巡礼に出かけることを迷う人がいるかもしれません。

現在のような巡礼がふつうになったのは、江戸時代からです。
人々はお伊勢参りをするために関西によく来ていました。

お伊勢参りとは三重県にある伊勢神宮という有名な神社に行ってお参りをすることです。
せっかく関西に来たのですから伊勢神宮のあとに西国三十三所観音霊場巡礼をしはじめたことで現在のような巡礼が普通になりました。

人々が観音霊場巡礼をすることで仏像やお寺の建物に興味を持ってくれると期待しているお寺もあります。
そして「世界遺産」や「国宝や重要文化財」「日本三景」を楽しむことができるお寺がたくさんあります。

世界遺産とは世界で認められている文化的に価値のある施設です。
国宝や重要文化財は日本が認めた重要な文化です。

そして日本三景とは日本で最も美しいと言われている3つの景色のことです。

このような文化を体験するために観音巡礼をするのも良いです。

観音霊場で楽しむことができる世界遺産

一番札所那智山青岸渡寺

和歌山 那智山 三重塔と那智の滝 © T-KIMURA クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)

ユネスコに登録されている世界遺産の「紀伊山地の 霊場と 参詣道」の中にあり、
お寺以外にも「那智の滝」や「熊野三山」を楽しむことができます。


五番札所葛井寺

2019年に世界遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」の中の「古市古墳群」がすぐ近くにあります。


九番札所興福寺南円堂

「古都奈良の 文化財」が世界遺産です。
興福寺以外に「大仏」でよく知られている「東大寺」、鹿で有名な「春日大社」などがあります。

少し離れていますが、「姫路城」や、日本で最初の世界遺産となった「法隆寺地域の仏教建造物」である「法隆寺」もあります。

第十六番札所の清水寺など京都市内の札所

「古都京都の文化財」が世界遺産ですが、清水寺のほかに「上賀茂神社」「下鴨神社」などがあります。

そして、少し離れた宇治市にある「宇治上神社」「平等院」などの神社やお寺があります。

国宝や重要文化財のある観音霊場

第五番葛井寺の千手観音が国宝です。
重要文化財の仏像もたくさんあります。

  • 第八番札所長谷寺の本堂
  • 第十三番札所の石山寺の本堂・多宝塔
  • 第十四番札所の三井寺の金堂
  • 第十六番の「清水の舞台」

のほかたくさんあります。
そして重要文化財の建物もそれぞれのお寺にあります。

日本三景を見ることができる観音霊場

第二十八番札所の成相寺からは日本三景の一つである「天橋立」を見ることができます。

観音霊場はこのようにいろいろな魅力にあふれています。
そのため人々は楽しみながら巡礼をすることができます。

 

観光しながら観音巡礼する時のお寺での作法

観光をしながら巡礼をしても、お寺へお参りすることには変わりません。

そのため最小限の作法を紹介します。

手や口を洗う

まずは山門からお寺に入って、入り口の「手水」で手や口を洗います。
山門とはお寺の門のことです。

ろうそくと線香をおそなえする

仏教のお寺には「本尊」と呼ばれる最も尊重される仏像があります。
そして本尊を置いている場所を「本堂」と呼びます。
手と口を洗ったら本堂に入ってまずはろうそくと線香をお供えします。

手を合わせる

次に本尊である観音様の前で手を合わせます。
神社にお参りするときには「二礼二拍手一礼」が一般的です。
神社では手を打ちますが、お寺では手を打たずに合わせるだけで良いです。

 

正式な観音巡礼の方法は何でしょうか?

正式な観音巡礼の注意点です。

三十三所の観音霊場で、巡礼をはじめた人である「徳道上人」が閻魔大王から受け取った「御宝印」を使って、
極楽往生を願うことが巡礼の目的です。
極楽往生とは仏教の文化で安らかに死ぬことを意味します。

最近は「納経印」を集めることが流行っています。
これを「御朱印ブーム」と呼びます。
そしてこのような人々は「納経印」をもらうことが目的なので「納経」しない人が増えているようです。

三十三所観音霊場のほかに、
巡礼を最初にはじめた一人である「徳道上人」、
そして巡礼の文化を再び有名にしたはじめの一人である「花山法皇」にまつわる「番外」などと呼ばれているお寺が3つあります。

そのなかのひとつである「花山院菩提寺」(兵庫県三田市)には注意書きがあります。

そこに、

まず本堂にお参りをして納経をしたあと
納経印を もらってください

と書かれています。

 

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写経とは何でしょうか

写経は、お手本のお経を下に敷きます。
その上に写経専用の紙を置きます。
紙は和紙です。筆と墨を使って書きます。

写経といえば「般若心経」ですが、272文字もあり漢字も難しいです。
漢字に慣れていない人には、とくに難しいかもしれません。

この「般若心経」の写経は、初心者にとってはかなり難しいです。

おすすめの簡単な写経「延命十句観音経」

このお経は観音様への誓いを書くものです。
そのため観音巡礼にふさわしいお経です。

また字数も42文字ですので写経がしやすいお経です。

「観世音南無仏」
「与仏有因与仏有縁」
「仏法僧縁常楽我浄」
「朝念観世音暮念観世音」
「念念従心起念念不離心」

延命十句観音経とはこれらから作られているお経です。

このお経は次のようにリズミカルに読みます。

「かんぜーおんなーむぶつよーぶつうーいんよーぶつうーえんぶっぽうーそうーえんじょーうらくがーじょうちょうーねんかんーぜーおんぼーねんかんぜーおんねんねんじゅうしんきねんねんふーりーしん」

つまり「いつも観音様を信じて、朝に夕に観音様を念じます」という誓いの言葉です。
少なくとも3回以上となえます。

また写経ですが、筆を使わないで書きやすいえんぴつやサインペンでも問題ありません。
ぜひ気軽に挑戦してみてください。


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